社長が語る プロ・スパーの歩み

水産物の流通を変えたい…社長が語る プロ・スパーの歩み

株式会社プロ・スパーは全国に漁業生産者から直接仕入れを徹底的に広げてきました。
その数……300漁港を超え、「日本一漁港直送をやっている会社」とも言えるかもしれません。

マイナー魚(低利用魚)とは?
水揚げされた地域周辺でしか食べることがなく、あまり知られていない魚

その多くは広域流通させることが困難で、量がまとまらなく不安定なため冷凍食品など商品化が困難、地元消費されているのが関の山。世界には約28000種の魚がいて、日本近海にはそのうち約3800種の魚の魚がいると言われています。その中で一般的に流通している魚は約500種ぐらいです。つまり日本近海で水揚される魚のうち約1/4程度しか商流に乗っていません。更に築地で約180魚種、名古屋市場では150魚種、そしてスーパーの店頭で見かける魚は約100種類程度しかありません。つまり、残りの400種は水揚されても一般的な消費者の口には入ることが少ない「マイナー魚」という分類に位置する魚です。マイナー魚はその名前や味の特徴、調理方法などが周知されていない為、ごく限定的な地域で安い価格で取引されているのが実態です。しかし、そのマイナー魚の中にはただ知られていないだけで、ただ水揚量が少ないだけで・・・本当は美味しい魚なのに日の目を見ないものも多いのです。

未利用魚とは?
網には入ってくるが何らかの理由でその一部または全部が海洋投棄されてしまう魚

漁獲されていることすら知られないまま慣習で海洋投棄されたり、価格維持のために水揚げ調整目的で間引きされたり。国内外を問わず漁業操業においては、一般的に流通しない魚が漁獲対象魚とともに混獲されています。それらの「漁獲対象とならない魚種」もしくは「漁獲対象となる魚であっても対象とならないサイズの魚など」を総じて「未利用魚」と呼びます。これら未利用魚の多くは漁業操業時に海洋投棄されています。(ごく一部は養殖魚の飼料用になる場合も・・・)その漁獲比率は底引き網では40-50%、定置網・まき網では20%等といわれています。日本近海漁業全体でも推計30%程度の未利用魚が海洋投棄されているといいます。具体的なデータ根拠はありません。あくまで推察されている現状です。そんな未利用魚の中でも価値のあるものは本当にたくさんあります。未利用魚が、未利用魚たる由縁は、漁師が産地仲買人に「こんな魚水揚するなよ!」って言われたから、水揚しても氷代すらペイできない価格でしか買い上げてもらえないなんてことがキッカケの場合がほとんどです。

 

プロ・スパーの歩み

そんな魚たちの直営小売店での販売に当初取り組みました。半年もすると「安くて美味しい」魚屋と評判が立ち大繁盛し、販売ショーケース1尺幅あたり23000円…当時のIY堂のトップ店舗を超えていました。「水揚げされる魚種数が圧倒的に多い」という地元愛知県の漁業の最大の特徴にも恵まれ、それらのマイナー魚・未利用魚たちの調理法、販売法などを短期間で徹底的に極め、卸売へ移行していきました。

初めは地元愛知の魚を詰め合わせた「鮮魚BOX」を首都圏の外食店に販売しました。しかし、鮮魚での流通には限界があり、「いずれ鮮魚の時代は終わる」と確信し、冷凍食品の開発に注力しました。初めに取り組んだのが「メヒカリ(アオメエソ)」という深海性の小魚の唐揚用製品でした。その製品はほんの1年で外食チェーン店を中心に全国約2000店舗の販路を切り開きました。浜値は上がり、漁獲対象のメイン魚種になり、水揚量は増え、効率的な加工と大きな販路ができ、販売先飲食店も低原価率で利益を上げられる……という最高の「3方良し」が生まれました。そして未だに水産業における6次産業化のモデル事例になっています。この成功で私は「漁師の救世主」・「水産流通のイノベーター」と呼ばれ、全国の産地から取引の依頼や提携、アドバイスを求められるようになりました。国産食料への回帰、自給率の回復、生産者を助ける取り組みとして水産庁や全漁連さんからも様々なご支援を頂きました。そうしたご支援の結果が、5年間で302漁港(平成22年時点)という漁師さん・漁協・漁連単位の提携でした。

当時「魚の価値=その魚の美味しさ」と考え、その適正な価格で評価できるような水産流通が理想と信じていました。それを全国で実現するため北海道から沖縄まで漁港を回りました。セリの状況を見極め、漁船に乗り、その地域の漁法や操業海域などの理解と知識を深め、(過剰でない)鮮度向上や選別の方法を指導?お願いし、徹底的に商品化して売りまくりました。同じようなことを各浜で担ってくれる人が居たらいいのに……と思ってそのころ、ノウハウも全てメディアでオープンにしていました。節操のない同業者と契約を裏切った外食チェーン店に苦労させられたことがあったので今は公開していません。

 

マイナー魚だけど美味しい魚=オタカラ魚の広域流通へ

生来、何に取り組んでもアイデアが浮かんで浮かんでしょうがないタイプ(笑)だったので商品開発は得意中の得意でした。ほんの3年で60魚種160アイテムの商品化に成功し、現在では160魚種600アイテムの商品を製造しています。

卸売の主軸とする魚の中でも徹底的に取り組んできたのは「マイナー魚だけど美味しい魚=オタカラ魚」の広域流通です。それらの魚には今まで流通しなかった理由が必ずあります。魚の持つ価値に注目し、適正レベルの鮮度管理を依頼し、活用するための商品開発、たくさん売るための広域流通を産地とともに作り上げる…「需要があるからこの魚を販売する」のではなく、「この魚の価値尾引き出して需要を作る」、つまり「ニーズを創る」のが私たちプロ・スパーの使命、且つ、もっとも得意とする分野です。

漁獲量全体に占める割合が決して軽視できない「マイナー魚」・「未利用魚」。そんな魚にしっかりとした価値を見出し、流通させることは漁業の収益性改善に繋がることと信じています。そして「オタカラ魚」を使ったメニュー開発は、私たちが取引させて頂いている外食店さまのオリジナリティーを高め、「このお店には他で食べられないメニューがある」という来店動機に繋がります。私たちプロ・スパーはそんな両者のニーズの橋渡しし、WIN-WIN-WINの関係を全国で築いています。

 
ある取引先上場企業の幹部さん曰く…

「今こんな魚が大量に獲れている」というタイムリーな国産鮮魚の水揚げ情報
魚そのもののについての知識と海外も含めた水産加工品の圧倒的な知識
並外れたアイデアを活かした加工経験と知識
我が道を突っ走る旺盛な研究心

「これを兼ね備えた会社が存在すること自体が奇跡だね」と。確かにそうかも知れません。その時から弊社は「比類なき 魚のprofessional」というキャッチコピーを使い始めました。

様々な取り組みが全国的に波及し、かつて「水産大国」と言われていた日本の漁業がこれ以上衰退することなくいつまでも美味しい魚が食べられる社会であることを心から願っています。

平成30年1月1日 株式会社プロ・スパー 代表取締役 鈴木裕己

余談「なぜプロ・スパーは未利用魚・マイナー魚に注目したのか?」

私の祖父は愛知県蒲郡市で魚の産地仲買人をしていました。祖父の自宅では若手社員たちが朝の仕事を終えると祖父の自宅に集まって朝食を摂っていました。
食材は「マイナー魚」色々です。そんな魚を使った朝食を若手社員たちに混じって食べたり、時には祖父からおすそ分けをもらったり・・・
私自身の幼児体験?として「こんなにヘンテコな見た目の魚でも、こんなに美味しいんだ」ってことが幼い私に刷り込まれていきました。
そして成長し東京でサラリーマンになった私。お小遣いで居酒屋に飲みに行って食べる魚は僕の味覚には、とても美味しいとは思えませんでした。(お小遣いが少なかったから…という説も)

そんな体験から「美味しいマイナー魚をリーズナブルな価格で、お小遣いで行けるお店で食べられるようにしたい」と思い、大手居酒屋チェーン大庄グループに商品紹介をさせて頂きました。
大庄グループは「地産地消の心を大切に:国内の地域産業を活性化する」という会社としての素晴らしい方針を掲げられており、その中の取り組みの一つとして創業当時の小さな会社プロ・スパーの商品をメニュー化してくださいました。感謝感謝!

水産庁もバックアップ

プロ・スパーの取り組みは官公庁にも認められ、水産業活性化の重要な手法として、お力添えを頂いております。ここでは過去の官公庁主宰事業への取り組みの経緯を紹介させて頂きます。

平成18年
愛知県庁水産課主催「水産物を核とした地域活性化事業」
「地元漁港直送鮮魚及び同加工冷凍食品の情報提供型供給」ビジネスモデル認定

(事業の目的・目標)
①地物鮮魚の取り扱い数量の拡大による地物鮮魚の地産地消活動の推進

(設定事業期間内で前年比50%増を目標設定)
①無料配布用調理提案レシピの拡充による一般消費者の地元産鮮魚についての知識向上と親近感・安心感の喚起
②愛知県の地物鮮魚の紹介ホームページの開設及び実際に注文可能な体制の構築による全国への情報発信及び消費拡大の契機作り
③魚の調理法についてのレジュメ配布により魚をどうやったら上手く自分で加工するのかを一般消費者にも知ってもらうことによる一般家庭での食育活動

(具体的な取り組み内容)
①小売店舗内でその日に入荷した漁港直送鮮魚についての情報をICレコーダーを用いリピート再生にてアナウンスする(水揚漁港・健康成分・調理法等)
大衆魚しか知らない地元一般消費者に「見たことない魚だけど食べてみたい」・「こうやって食べればいいのか」と思ってもらうことが大きなポイントと考えます
②小売店舗内で旬の地物鮮魚 魚種別調理レシピ・基本調理の仕方のレジュメの配布
レシピの内容については地元漁師やプロの調理人に情報提供を依頼する
週末を中心として随時試食提供(期間中で約50回を予定)、安価にお試し販売キャンペーンを行う
一般消費者からの「我が家ではこうやって食べています」などの情報を募集し、紹介していく
③旬の魚の紹介ポスター作成:月2-3魚種を設定
漁獲地域・健康成分・漁師のお奨め調理法などを明確に伝える
漁獲風景、競り風景なども盛り込み産直食品に対して安心感を持ってもらう
④小型のPOPや販売促進シールを主要取り扱い魚種分調える
小売店舗での陳列時に調理法などが分かりやすいように配慮
⑤地物鮮魚を紹介するホームページを開設し魚種別に紹介し、実際に注文可能にする

平成19年度~平成21年度
水産庁・大日本水産会主催 キャリア活用型再チャレンジプラン
「産地魚種の情報提供による販売網の構築」ビジネスモデル認定

事業項目① ●多種の愛知産鮮魚と国内他産地の低利用魚を原料とした独自性ある寿司ネタ製品の開発と効率的販売手法・販売網の確立
実施内容① ●原料買付体制
愛知県蒲郡市漁協~碧南市大浜漁港を中心とした県内漁港のセリによる買付
●販売コンセプト
国産原料国内加工のワンフローズン製品であることの徹底アピール
独自性あふれる商品ラインナップの展開によるニッチ市場の攻略
水揚げ増期にあわせた商品製造による旬の演出
●販売手法
幸田憩いの農園内での寿司販売展開(7月予定)
エディ岐阜羽島店でのマーケットリサーチデータの活用
コンセプトが明確な商品案内書作成
JAあいち経済連(常温保存寿司シャリ製品)との共同販促
OO社寿司ネタ販売ネットワークとの開発販売での協業(初年度50魚種を目標に)
事業項目② ●国産水産物を原料として活用した市場競争力を有る国内水産加工製品を加工工程を省エネルギー化(機械化による製造時間・人件費負担削減)により実現する
実施内容② 市場競争力ある製品開発のための機械化の徹底
(製造管理データの徹底収集し効率化を探求する)
事業項目③ 販売面でも積極的に活用可能な商品情報の整備・品質管理・トレース管理体制の構築(ステップ①C)
実施内容③ OO社品質保証部の指導の下に販売に積極活用可能な品質管理手法・トレース情報の管理徹底を目指す。
事業項目④ 生産者と流通業者の提携により実現した共存共栄型ビジネスモデルの全国波及を契機とした全国産地からの仕入れ体制の確立(ステップ②D)
実施内容⑤ ●OOとOO(産地名)の提携をモデルケースとし、全国他産地に波及
●販売コンセプト
国産原料国内加工のワンフローズン製品であることの徹底アピール
独自性あふれる商品ラインナップの展開によるニッチ市場の攻略
水揚げ増期にあわせた商品製造による旬の演出
●販売手法
幸田憩いの農園内での寿司販売展開(7月予定)
エディ岐阜羽島店でのマーケットリサーチデータの製品開発・営業活動への活用
コンセプトが明確な商品案内書作成
JAあいち経済連(常温保存寿司シャリ製品)との共同販促
(小規模業者への寿司シャリ+組み合わせ寿司ネタのセット販売)
OO社の寿司ネタ販売ネットワークとの開発販売での協業
(初年度50魚種を目標)

平成22年度
水産庁加工流通課主催 水産物産地販売力強化推進事業(流通加工業・産地連携促進事業)
「生産者との継続的連携で実現させる 未利用魚を活用した高付加価値製品の開発販売」
ビジネスモデル認定

<取り組みテーマ>
○未利用魚の複合的流通障壁要素を乗り越える、より強固な産地連携関係の構築による「生産者所得の向上」と「販売視点に立った生産活動の促進」(実地指導による鮮度管理の徹底・価格面での提携メリットの明確化・安定出荷体制の構築支援・季節魚種を含む水揚げ状況の把握体制の確立)
○美容健康成分や希少性の徹底訴求による未利用魚の広域流通推進と販売手法の確立
○高付加価値商品の開発販売による生産者所得の向上と連携の継続性の確立

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  1. 取扱魚種一覧

  2. 鮮魚の仕入れ体制

  3. 売る力を持てたワケ